現場あれこれ

新人現場監督の壁 5選

学校を卒業して未経験でこの業界に入った人は、一度は壁に当たると思います。なぜならこのお仕事、学校で習った通りにはいかないからです。

今までたくさんの新人さんに当たってきましたが、大体ぶち当たる壁は共通しています。今日はそれについてランキングで話したいと思います。

新人現場監督の壁 1 「図面が書けない・読めない」

何より一番最初に当たる壁はこれです。何故かわかりませんが、学校で教える「図面」は実際に現場で使われるものとはかけ離れていて、使えません。(設計イメージ図に使われるパースぐらいですね、物になるのは)従って書き方も一から覚えるようになります。また、現場監督は二次元に書かれた図面を、立体的に頭の中で構築して現場を進めていきます。新人さんは、頭の中の2次元→3次元の構築作業ができないため、図面を見てもどのようになるのかが解らないんですね。その逆も現場を見ても、それをスケッチや断面図・アイソメなどに描けない。

これ、個人差があって、勘のいい子は、割とスイスイそれを覚えていくのですが、不器用な子はこの「2次元←→3次元」になれることに本当に時間がかかります。今はBIMという素晴らしい道具があるのですが、問題は「BIMが解ったからといって、その変換作業ができるわけではない」のです。

これに悩んでいる人は、とにかく現場でスケッチを描き、施工図と照らし合わせて3次元で確認する。これの繰り返しです。これは何度もやらないとできません。絵の上手い下手は関係ありません。頭の中の2次元・3次元のキャッチボールを続けて、2次元を見たら3次元を想像できるようにしていくことが、図面理解の早道です。地道に続けて欲しいですね。

新人現場監督の壁 2 「報告連絡相談の優先順位がつけられない」

最近の新入社員に多いのがこれですね。10年くらい前はもう少し増しでしたが。。。現場で多いのは

1,仕事の中間報告をせず、全部できてから上司に報告して、ダメだしをされて最初の方からやり直し。

2,作業員、協力会社等への連絡を後回しにして、自分の手を動かしてしまい、全体ができあがらず、遅れてしまう。

この2つです。いずれも仕事の視線が「自分が何をするか」だけに向いてしまい、組織としてどうするか、上司や顧客が何を求めているか、に考えが至っていないのが原因です。いわゆる教科書的な「勉強」がよくできた子が陥ることが多いですね。これをなくすためには、

1,仕事は方向性などを上司に確認し、進捗の途中で確認を求めることです。途中で確認することで、自分の仕事はやり直しがなくなり、ミスを最小限にとどめることができます。

2,聞いておくこと、連絡しておくこと、依頼すること、交渉すること、をまず優先して、作業すること、調査すること等の「自分の手を動かすこと」を後回しにする。特に「調査すること」などは勤務時間外でもできます。(推奨はしませんが)一番後回しにすることが大切です。

目線を自分の達成度から客観的な全体の最適解に移せること。これが入社数年で会得するべきスキルですね。

新人現場監督の壁 3 「作業員にできない約束をしてしまう」

現場に出ると、いろんな「頼まれごと」を作業員「職長」から頼まれます。例えば「ここの墨出しができてないから、昼から出してもらえないかな」と聞かれ、威勢良く「わかりました!」と答えてしまう。「いやいや墨出し職人なんて来てないやろ!」と思うのですが、まだそれをすぐ上司に相談するのならいいのですが、いろんな人から「これやっといて!」と頼まれるのが若手社員の常です。いつの間にか忘れてしまい、昼になって「たのんでたあれどうなったん!」って怒られる。

これは先の報告の優先順位の問題と同じなんですね。自分の力量やスケジュールを勘案すれば「すみません、「今は」できません」の一言が大切なのですが、人がいいのか安請け合いしてしまう。それで毎回約束を守れず、信用をどんどん落としてしまうのです。

対応は簡単。安請け合いしない、なのですが、若いときは頼まれることが嬉しいんですよね。だから大切なのは「その場で解決できることは、その場で解決する」です。僕らの若いときと違い、スマホがあります。facetime等の機能を使えば、上司にその場で報告や相談をすることができます。自分の力で解決できず、聞けば解ることは先延ばしにせず、すぐに相談すること。これが大事ですね。

新人現場監督の壁 4 「自分の(考える)仕事の成果にこだわる」

これも多いです。「○○を作成しておいてね、××日の会議で使う資料だから、2日前までに出してね」と言ってもなかなか出てこない。途中で催促すると、「この表のまとめ方がちょっと」とか「この部分の表現方法が」とか的外れな答えが返ってくる。「そんなの求めてない!」です。

僕の職場は、「社内成果物は簡便に」「お客様への成果物はきめ細かく丁寧に」を旨としていますが、その方針は職場や、置かれた状況によって違います。同じように見える仕事でも、スピードが要求される場合と精度が要求される場合があります。全体の最適解は必ずしも自分が「こうしたい」というものと違う場合が多いです。まずはその方針に従う。どうしても不満があれば取りかかる前に上司や客先を説得し納得を得る。後者はしかしよほどの経験値の積み重ねがないと難しい、ことを解って仕事をするべきですね。

新人現場監督の壁 5 「相手の要望を正確に理解できない」

これも最近増えました。こちらの言ったことを、自分で間違えて解釈して納得している。そしてそれを途中で確認しないから余計にやり直しが多くなるんです。

仕事は、「いつ」「誰に」「何を」「どのように」提供する仕事なのかをまず自分が把握しないとできません。しかしそれを相手に確認することなく自分の解釈で始めてしまうから、何かが抜ける。何か方向性が違う仕事になってしまうのです。これを防ぐには2つです。

1,相手が言った重要点をメモに取る。

2,その内容を最後に復唱して確認する。

この2つを心がけるだけで、理解不足によるミスはぐっと減らせるのです。

まとめ

いかがでしょうか。後半になるにつれて、現場監督だけの問題では無いと思いますが、前回話した「いきなり中間管理職」というのが重荷になる人も多いと思います。でもそこをクリアすれば、ぐっと仕事の能率が上がり、「できる監督さん」として重宝されることは間違いありません。

早く一人前の現場マンになって欲しい、現場に新人さんが配属されるたび、そう思います。