僕が現場に来て、最初に一番驚いたことは、
設計図、それだけでは建物が出来ない。この事実です。
実際には設計図から施工図を書き落とし、実際の建物に反映していくのですが、ハウスメーカーのプレハブものを除き、すべて建物は「施工図」無しでは着工することすら出来ません。
日本において、設計図はいわば「企画書」のようなもので、それらからディテールや構造的な整合を検討し、施工図を作り込んでいく。これがいつもの現場の流れになります。
この施工図で、建物の善し悪しは天と地ほどに変わってきます。
壁面の定尺物を割り付け、出隅、入隅をスッキリと収め、様々な外的要因から防護する手段を講じてから行う外壁。狭いながらもシビアな納まりが要求されるトイレや風呂などの水回りなどは、設計のセンスもさることながら、施工者の技量が大きく問われます。
大変な作業ですが、だからこそ楽しい。意匠系出身の建築施工者の一番の楽しみがここにあると思ってもいいかと思います。
1,構造体を不合理無く接続させる(鉄筋・鉄骨・コンクリート)
2,外壁(建具・タイル・金物)を綺麗に割り付け、スッキリ見せる。
3,上記のすっきり感や、建物の利便性・耐久性を損なわずに、施工上の逃げやゆとりを設定して施工合理性をあげる。
主にやっていることは3点に集約されるのですが、その組み合わせが難しい。以下に納めるための「知識・経験・発想力」が問われるのです。
結果としての建物のできばえへの賞賛は設計者にいつも譲りつつ、さりげなく上手く納めたガッツポーズは心の中でぐっと行う。これが現場技術者です。
だから僕は、主に図面も見つつ、現場のマネジメントが出来る5億ぐらいの現場が一番好きですね。いつか今の会社を引退したら、自分の施工物件の探訪記も記してみたいなあと思っています。