建設キャリアアップシステム(Construction Career Up System 略称:CCUS)
国土交通省が鳴り物入りで導入したこのシステム、いわく「建設業に関わる技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを登録・蓄積し、技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるための仕組み」という謳い文句ですが、残念ながらあまり評判良くないですよね。
なによりもその手続きの煩雑さ、やっても何度もやり直させられるわかりにくさから、毛嫌いしている協力会社の経営者も多いと聞いています。
確かに、その申請内容を見ると「なんでそんなややこしくしたん?」と思います。たぶんこれこそ運転免許と同じく、マイナンバーカードと紐付けるべきだと思うんですが、縦割り行政の弊害ここに極まれり、って感じですよね。愚痴のひとつも言いたくなると思います。
ただ、待って下さい。確かにややこしいのは確かなのですが、それは「使用者」にとっての事で、作業員の人からすると、メリットが多いのです。これが業界全体に浸透すれば、「会社」ではなくより「個人」のキャリアが重視されるようになり、ともすればブラックだった建設業の働き方が大きく改善される可能性を持っています。特に腕に自信のある職人さんにとっては、自分の給与を上げる大きな道具になると思います。
建設業は長く、親方との徒弟制度の延長線上で成り立ってきました。その良さも確かにあるのですが、「道具」が進歩した現代。どちらかというと手が覚えた「技量」よりも、現場を上手く進め、効率良く、かつ安全に仕事が出来る「マネジメント力」の方が作業員や職長に求められる場面も増えてきました。
それを考えれば、このように客観的に経験値を図り、それに応じて給与や仕事の配分を考えることが、より求められているのも事実です。
最近では、作業員が毎回カードをかざさなければいけなかったものが、顔認証でできる様になってきていることを考えると、煩雑な集計を手計算しなくとも出来るメリットも増えてきます。また、今後はそれらのデータをビックデータとして、工事の情報と紐付けて評価できれば、会社ごとの段取りの良さ、効率性の高さも評価できるようになってきます。
そう考えれば、いまのこの煩雑さも「産みの苦しみ」と評価できるのではないでしょうか。
ぶつぶつ文句言うくらいなら、「まずは試してみて、良いところを探していく」これが大切だと僕は思います。
え、お前の現場はどうかって?
勿論導入してます。顔認証も合わせて。
他のシステムと組み合わせれば、現場にはメリット多いです。何よりも、迷ったらやる方を選ぶ。だってその方が楽しいですからね。