雑記

住宅ラッシュに思うこと

住宅メーカーの仕事は素晴らしい

ここのところ、近所で新しい住宅がよく建つようになりました。最近のハウスメーカーさんの仕事は良いですね。昔は「おいおいそれ大丈夫かよ?」って思うところも正直ありましたが、最近では地盤改良はしっかり行うし、鋼製型枠の使い方も上手いし、きちんと片付けや安全対策もしているし、「見えないところ」に手間とお金をかける姿勢がわかって、僕たち「野丁場」の人間も学ぶところが多いです。

工期もずいぶん早くなりました。メーカーさんにより違いがありますが、最近はもう2ヶ月程度でできあがってしまっているものもありますね。プレファブ化がずいぶん進んで、洗練化されてきたからだと思います。特に外壁はサイディングが普通になり、質感のある耐久性の高いものが増えた印象です。あれなら本当に100年住んでいけるかと思えます。

では、中古住宅はどうなってるの?

一方で、既存の街をぶらりと歩くと、ずいぶん「寂れた」家がおおくなりました。きっと空き家か、ご老人が一人で住んでいるために、メンテナンスがおろそかになっているんですね。

家というのは不思議な物で、住んでいるとそれほど劣化は進まないのですが、空き家になったり、住んでいる人が家の事を気にしなくなると、一気に劣化が進んでしまいます。そしてそういう家が必ず一区画に1件ぐらいは見かけるようになっているのです。

新築に優しく、リフォームに冷たい施策

まあ、そうだろうなあ、と思います。この国の施策は、新築するときは住宅ローン減税を始め、あらゆる方面で有利なのですが、ことリフォームや住み替えに関してはずいぶんと不便に出来ていて、「じゃあもう新築した方がいいじゃん?」と思ってしまうんですね。

建物を建てる人として、これは本当に悲しいことだと思います。勿論新築がなくなると、僕たち現場監督は食いっぱぐれて失業の憂き目に遭うのですが、十分使える建物が、メンテナンスが出来ず劣化したり、まだまだ丈夫なのに建て替えられたりしてしまうのは本当に悲しいことだと思います。

実は僕も、28歳の時に施工した思い出深いショッピングセンターがあったのですが、今はもう影も形も残っていません。ホテル、映画館、ショッピング、遊技場、プールまであった施設だったのですが、竣工から20年少しで、営業難により取り壊されてしまいました。

リフォームにもっと光を

資源もエネルギーも有限。これはSDGSという言葉を持ち出さなくとも、皆が認識しています。しかし、世の中の方向性はなかなか変えることが出来ません。エネルギー問題が折角取り上げられている今こそ、今ある建物をできる限り残し、受け継いでいく文化をもっと進められないかなあと思います。特にリフォームについてはもっともっと需要を高めるような施策ふやせば、この街の景色も、少し良くなるのではないかと思うのです。