現場あれこれ

buildeeを使いこなす

あえて商品名からはじめてみたのは、このソフト(?)が大変優れた物だからです。あらかじめ言っておきますが、勿論案件じゃないですよ。(こんな読者のいないブログに案件なんてあるはずもない(笑))

で、buildee。うちの現場ではすべての安全書類のやりとりと、作業員それぞれの情報の確認、そして顔認証とそれによるCCUS(建設キャリアアップシステム)の認証に使っています。会社として導入してくれたシステムですが、これについては「いかに使うか」が肝だと思っています。では、どういう点で便利なのでしょうか。順を追って挙げてみます。

1,送出し+新規入場者教育の充実と簡略化

建設現場にとって、送り出し教育と新規入場者教育は現場教育の根幹をなすものです。現場側にとっては作業員の属性と技量を測る第一段階ですし、作業員側にとっては現場のルール、状況等を知る貴重な機会です。しかし、時代の要求に沿って、その内容は多岐にわたり、作業員側からすれば「いっぺんに言われても解らない」現場側からすれば「たくさん来るのにひとりひとり処理しきれない」情報交換となっていたのです。

昔はすべて紙で情報をやりとりしていましたから、その閲覧や保管は場所を限定され、硬直的なものでしたが、現在は電子化が進められ、グリーンサイトを経て、現在うちの会社はbuildeeを使用しています。

電子化により、作業員の情報はどこにいても確認ができ、また最近のコロナ禍で、家からそれをすることも出来るようになりました。「紙の名簿を全員回覧」などは全く必要がなくなったのです。

僕の現場では、新規入場時の確認は間違いが無いか確認する程度。本当は個人票も撤廃したいのですが、会社のルールが残っておりそこまでは至っていないですが、昔と比べればすさまじく簡略化できています。そもそも、本人確認は顔認証で毎日出来ますしね。大切なのは、今までやってきたことを「やめる」事だと思います。これが出来ずに、IT化を重荷と捉えている現場が多いことが本当にもったいないと思います。

2,作業間調整打合せ

buildeeで出来ること、次は作業間調整打合せです。これの何が便利かというと、「現場にいなくてもその内容が把握できる」ということです。つまり、何がいつその現場に入り、今現場に何があり、何が行われているのかを瞬時に外部の人が把握出来る、ということ。このメリットを生かしていない現場が実に多いのです。

現場で、職長の課せられた業務は少なくありません。この作業間調整もそのひとつなのですが、今までの調整では、職長一人がそれを担わざるを得ませんでした。それをbuildeeで共有することにより、どうしても時間的に参加できない人が内容を把握出来る。忙しい職長に代わって店社の担当者が内容(作業予定、搬入予定)を入力できる。など、人的時間的な制約を超えて情報を共有することが出来るようになりました。

また、作業調整に使った配置図、計画図データは、そのまま明日の重機・クレーンの計画書に計画図として転用することが出来ます。つまり、ひとつのデータを他の書類で使い倒す。これが出来るようになったのです。毎日毎日作業の様子を計画書に書くこと、これは本当に面倒な作業です。それがそのまま毎日更新されていれば、+αの情報を書くことができ、計画が充実する。このように使っていってこそITツールです。

何ができるかの先の、何をやめるかが大切

buildeeについては、まだまだメリットが多く、書きたいことだらけなのですが、長くなったのでここで止めておきます。ITツールをどう使うかがこれからの現場の試金石ですが、着眼点は何ができるか、の先にある【何を止められるか】です。新しいことをしても、古い物と並行していたのでは何の意味もありません。古い考えにとらわれず、合理的に似見直していくことが、大きな進化につながると思いますね。