現場あれこれ

現場の工程は結果から帰納的に考える

よく、現場の問題を考えるときに、いつまでにそれを解決するかが課題になることが多いです。そういう時に経験の少ない人の返答はこう帰ってくることが多いです。

えーと、そのためにはまず図面を書いて,性能を検討して、人員配置を決めて工事を実施して、それぞれに○日かかるので、○月/○日までに行います。

って、このように書くと一見「全くその通り」と思えますが、考え方が根本的に間違っています。なぜなら僕たち現場監督は、お客様から「工期」を与えられて、それを達成することも重要な仕事だからです。

安全や、品質を無視して間に合わせろ!って意味じゃないですよ。

一つ一つの工程を「自分の知識の範囲内で」積み重ねるだけでは、絶対に結果は上手くいかない、ということです。

例えばさっきの問題。図面を書く、それから性能を検討する。2つの仕事は並行して出来ますよね。他の仕事も同じです。Aという仕事を解決する場合、まずは全体工期の中で、その工事をいつまでに完成が必要かを考え、そしてそれからそれを達成するためのスケジューリングを行うのです。

特に「仕様が決まっていないから」「図面が確定していないから」などの理由で、一歩も動かない人がいます。(偏見かもですが、設備屋さんに多い傾向です)勿論それは「手戻り」を嫌うためでもありますが、先ほどのような必要な要素を直列で並べて仕事をしたのでは、現場の工程など全く守れなくなるのです。

勿論、天変地異や地中障害など、どうしようもない工期を遅らせる要素が出た場合などは別ですが、まずは工程を考えるときは結果から考え、その結果を達成するための準備を「平行で」行うこと、人、物、金、全てをパラレルに考え、工程上に配置し、それぞれにゆとりを持って配置すること。これが工程を考える基本なのです。

また、実はこの考え方がこそが現場を「改善」する大きなヒントになるのです。従来のやり方ではどうしても間に合わない。そんなとき、パラレル思考が働けば、PC化、BIM化など、工期を詰めるために必要なアイデアが現実性を帯びてくるのです。

この結果から帰納的に考え、パラレルな検討が自在に出来るようになれば、貴方は現場監督として一人前。ちょっとした現場の現場所長を張れるようになります。現場所長の楽しさは、実はこの問題解決の引き出しをどれだけ持っているに左右されるのです。。

帰納的思考、若いときから意識して現場に取り組めば、きっと貴方の現場での評価は格段にあがることでしょう。結果を出したい監督さんは、是非常に意識して欲しいと思います。