現場あれこれ

3,会議縮小、意思疎通手段の変更①

ずいぶんと間を開けてしまいました。でも、この「時短」というテーマの核心がここにあると思っています。

現場には昔に比べて、たくさんの会議や書類が増えましたよね。大手の仕事をしている人であれば、それは共通の認識であると思います。問題なのは、それが「聖域」として不可侵な領域に祭り上げられるようになってしまっている事だと、僕は思っています。

その「会議」は何の為に必要なのか?

その「伝達書類」は何の為に必要なのか?

大切なのはこれなのに、いつの間にか「それをすることが目的になる」問題はここだと思っています。

では、具体的に、実例を挙げていきましょう。

◎災害防止協議会

災害防止協議会は、「労働安全衛生法第30条に基づき元方事業者が設置・運営するもの」であり、実施しないと法違反になります。

では、その内容はどうでしょうか?伝達内容は、通り一辺倒のおざなりなものになっていませんか?内容は形骸化していませんか?

僕の会社では「災害防止協議会の参加者が、その日のパトロールの内容を、会議の中で一人一人発表する」というルーチンが暗黙の了解であったのですが、僕は止めてしまいました。

代わりに、会議とパトロールを切り分け、別日に行ったそれぞれの会社のパトロールの内容を別の時間で面談し、その内容を方針に反映し、netやbuildeeを通じて全体に展開する。という方法を採っています。このことで、会議時間が短縮でき、早く会議を終えることが出来るようになりました。パトロールが必要なところは実施し、必要ないところはしない。

また、発表資料も事前に内容を要約し、言葉と文書で伝えるようにしています。このことで、現場の方針や安全の重要ポイントなどを、短時間で的確に伝えることが出来るようになりました。

また僕の現場ではnet参加OKにしています。基本teamsとし、希望があればfacetimeでも可。災防協の様な一方的な伝達情報方が多い会議は、net会議が向いています。この推進にはコロナ禍が本当に役に立ちました。いままで「face to faceが大切」とか言って認めなかった人が反対しなくなりましたからね。

協力会社に情報を伝える手段は災防協一つだけではありません。細かい指示事項はメールやパトロール、buildeeの全体メールなど、様々な機会を通じて彼らと情報と意識を共有しています。全部をここに詰め込まず、常に適切な方法を模索する。これが大切です。

◎所内会議

現場の組織での情報伝達は、ともすれば雑談や各論に脱線しがちで、どうしても長くなってしまいがちです。でも、1時間以上の会議は、その効果は激減します。聞いている方は頭に入らず、だらだら感か出てしまいます。そこで大切ことをあげていきましょう。

1,テーマをあらかじめ絞り、事前に周知する

 会議は必ず「レジメ」を作り、事前に告知しましょう。これにより参加者はその会議で「何が協議されるか」が事前にわかり、議論が整理できます。また聞くだけの内容でも頭が整理され、入りやすくなるのです。

2,周知なのか協議なのかをはっきりさせ、必ず結論を出す。

会議で話される内容が「周知」だけの場合は会議の必要はありません。ただ多くの場合、必ず周知には「異論」が出ます。それを議題に挙げて「協議」し、「結論」を出すのですが、参加者がそれをしっかり区分けしないと、会議が「感想」を言う場になってしまいます。参加者全員が「結論を導く」事を強く意識して議論に参加することが大切です。結論は最終結論で無くてもかまいません。「いつまでに解決する」というのも一つの結論。いつまでもだらだらと長引かせないことです。

3,出来ない理由だけを述べない、頭から否定しない。

課題があたえられると、必ず「こうした方がいい」という意見が出ます。それに対して頭から反対することをしてはいけません。解決策を出したことを尊重し、それを上回る解決策を出すか、それを育てる方向に議論を導くように心がけましょう。否定する意見を述べるのは誰よりも簡単です。しかし、解決策を出すのは難しい。だからこそ一つの意見を育てる事が大事なのです。一つの意見を聞きそれを否定する条件を見つけたら、それを言う前にその条件を回避するにはどうするかを考えて意見を言いましょう。そうしないと否定合戦になり、議論はどんどん長引きます。

おっと、長くなってしまいましたね。

このように、仕事を短時間に終わらせるためには、伝達や解決に至る時間を短縮し、それぞれの仕事を最短距離で終えることを旨としなければいけません。工夫の余地は無限にあります。また別の機会に、このテーマでの具体的な解決策は話していきたいです。