現場あれこれ

残業を減らしたいなら【間に合いません】と言おう

Twitterを始めてみて驚いたのが、「休めない、帰れない」と嘆く新人現場監督の人の多さです。確かに元々、この仕事はその性質上、9時5時で出来る仕事では無く、ある程度の早出残業が宿命づけられています。しかし「もう1ヶ月休んでない」とか「連日日が変わってから帰ってる」などというのはあまりにひどいなと僕でも思います。

ただ、不思議なのはその仕事を彼ら、彼女らが「受け入れてやっている」ことです。残業が発生するのは単純な話を言えば

【一日で処理する仕事】<【入ってくる仕事】

この不等式となっているからです。だからシンプルに考えて残業を減らすには「入ってくる仕事を減らす」これしかありません。

「そんなこと言っても、新入社員に仕事を選ぶ権利は無いです」と言われるかもしれません。たとえそうだとしても「今日、この仕事が終わるか、終わらないか」くらいは判断できるはずです。そこまでの判断ができるなら、新しい仕事を指示されたとき、この一言が言えるはずです。

今やっているこの仕事、期日に間に合いませんが良いですか?

つべこべ言わずにやれ!といわれても「間に合いませんよ、いいですね」と念を押しましょう。相手が何も返さなければ「◎日まで伸ばします!」って宣言すれば良い。それを数回続ければ、新しい仕事はセーブできるはずです。「間に合わない」これはどんな現場監督も一撃で殺されるキラーワードなのです。

この一言を言うためには、準備が要ります。まず自分で全ての仕事に期限を持つことです。これが出来ていないと、全ての要請を唯々諾々と受けてしまうことになります。気をつけて下さい。

そして、今持っている仕事が自分でその期限に「間に合わない」と思ったら残業する前に遠慮無く、

◎この仕事、期限通りに間に合わないので、他の人に協力してもらっていいですか?

◎この仕事、期限通りに間に合いません、◎日まで期限伸ばしてもらっていいですか?

のどちらかを言いましょう。

そんな手伝える人いない?関係ありません。仕事の全体をコントロールしてるのは上司です。手伝えないなら間に合わない。その厳然たる事実があるだけです。

そもそも、事務所内で全部片付ける必要はないのです。現場内の仕事なら、補助してくれる職人さんがいればスピードがあがります。墨出しが主になら墨出し工が肩代わりしてくれますし、写真撮影などは合判の土工さんなどいてくれるだけではかどります。デスクワークが多いなら、事務員さんがいるなら、仕事を振ってもらいましょう。それが上司の仕事です。大切なのは「間に合わない」という事実を共有し、上司とともに「解決」することなのです。

ここまで書いても「うーんでも、、、言えない」となる人も多いでしょうね。それはきっと「良い社会人と思われたい」という気持ちがあるからだと思います。自分のためにそう思うことは大切なことです。しかし他人からの印象を気にしても、自分の幸せは守れません。また、業務の内容を把握し「できない事は出来ないと言い、代案を必ず出す」事は社会人として基本中の基本です。きちんと断れることが、実は社会人として素晴らしいことなのです。

いかがでしょう。今も残業で悩んでいる人、明日から

「今それを始めると、この仕事が間に合いません!」

言ってみませんか?