建設業の長時間労働体制が議論に上がって久しいです。
これまで、建設業については、36協定で定める時間外労働の上限の基準(大臣告示) は、適用除外とされていましたが、令和6年4月1日以降、時間外労働の上限は原則 として月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超える ことができなくなります。
000812940.pdf (mhlw.go.jp)
しかし、建設業界の残業は一向に減りません。それどころか多くの若者が夢を抱いて入ってきても、その仕事量の多さとパワハラ的体質の元で心を病んだり、嫌気がさして辞めていく。そんな現実を多く目にしてきました。
しかし待って下さい。仕事を辞めたら、次に雇ってくれる所など望むべくも無かった昭和の時代ならともかく、令和の時代は転職が当たり前になり、特に建設業・現場監督については実力さえあればビズリーチ等の転職サービスが充実し、上手くいけば年収アップも普通に起こりうるようになっています。
なのに、未だに平気で若手従業員に過度の仕事を課し、過酷な労働をさせる会社がありすぎる。本来そういう会社は従業員が皆辞めていき、会社として成り立たなくなる筈です。なのにそうならない。何故なのでしょう。そう、それでも辞めない人がいるからです。
会社からマネジメントを任され、権限のある所長や工事課長ならば、まだ予算を削って事務員さんや、常駐の多能工を雇い、現場監督の仕事を補助させることも可能です。しかし若手にはそれができません。自分で頑張るしかない。だから過度の仕事を命じられたらこう言えば良いのです。
できません!or 間に合いません!
しかし言わない。自分で抱え込み、ひたすら残業して仕上げようとする。その努力は認めます。でもそれではいけないのです。勿論悪いのは会社の方です。しかし、従業員の方も抵抗する必要があります。
ここで、頑張って残業しちゃう人には共通の傾向があります。
「真面目で、責任感が強い」
それは個人としては賞賛すべき、素晴らしい資質です。
しかし、一人で二人分の仕事は絶対に出来ません。ましてや若手はノウハウが解っていないので、熟練社員の7割程度出来たら良い方です。だから命じられた時点で出来ないと思ったら「できません」と言えば良いのです。でも、言わない、言えない。
その結果として、リタイヤする者と、上手くこなして会社にく生き残った人に分かれます。そして生き残った人は、こう言うのです。
俺はこれぐらいやってた、お前もできる!それがお前のためだ!
こうして、負のスパイラルは永遠に再生産されていくのです。
もう、僕たちはこの負のスパイラルに終止符を打たないといけない。そのためには「できない」「間に合わない」と声を大にして主張するべきなのです。
聞く耳持たなければ、会社のもっと上に訴えましょう。
もみ消されそうになったら、労基に訴えましょう。
それでも無理なら、誇りを持って辞めれば良いのです。
そんな会社、存続することが建設業界にとって良くない!と心に決めましょう。
建設業界が生まれ変わるためには、「真面目で責任感」のある人たちが、ベクトルを少し変えることが必要なのです。悪いのは残業する従業員ではありません。させる上司です。彼らブラックな会社が、自ら改善をすることはあり得ません。声を出して主張することが出来る人が、今求められているのです。
できません。間に合いません。それ以上させるなら辞めます。
自分が心を病む前に、勇気を持って、言ってみませんか?